【アルバータにはまだこんなところが!】フランク・スライド (Frank Slide) 編

Frank Slide

こんにちは~みなさま、まろです。

今回は、人が変わったかのような、
大まじめな、記事です。

まぁ、普通の旅ブログなんですけどね。

長い間アルバータ州民やっていますが、
まだまだ知らないところだらけです。

カルガリーから南南西に車で約2時間20~40分。

ぜひ行って欲しい面白いエリアを見つけたので、
2ブログに渡ってご紹介したいと思いますよ。

本日は、「フランク・スライド (Frank Slide) 編」です。

(ここは、面白いと言うより、
興味深い、と言った方が良いかな。。。)

では早速、行ってみましょう~。
↑ ブラタモリの草なぎくん風に

まずこちら、
タートル山 (Turtle Mountain)
という山があるのですが。

Frank Slide 1

斜面が何やら削れたみたいになっていますね。
そしてその正面一帯に広がる無数の岩塊。。。

なんとこれは、
1903年に起きた地すべりの痕なんです。

フランク・スライド (Frank Slide)
と名付けられたこの地すべり。

1903年4月29日の未明、午前4時10分。
(日本は明治時代)

タートル山の頂上付近から大きく崩壊。

約1億1000万トンもの石灰岩が滑り落ち、
フランクの町の集落や鉄道線路を飲み込みました。

少なくとも90名の住民が死亡し、
助かったのは23人。

ほとんどの遺体は依然として埋もれたままだそうです・・・。

タートル山は、
砂岩や石炭などを含む
柔らかくて弱い堆積物の上に、
断層により、
石灰岩の層が乗っかっています。

下が弱く上が重たい、頭でっかち。

さらに何百万年もの間に受けた
水や風の浸食の影響で、
斜面は急こう配な絶壁となっています。

地すべりの主要因は、
その山の不安定な地質構造にあったと言われています。

また、フランクは炭鉱の町だったそうで、
タートル山での石炭採掘の影響も
要因として挙げられています。

さらに加えて、
山頂付近にできた亀裂から流れ込んだ
水の作用というのも、
要因としてと考えられています。

山頂付近の亀裂から
雨水などの水が山の中心部へと流れ込み
石灰岩の層を溶かし、
その下の弱い堆積層に染み込んでいきました。

そこに、異常気象の条件も加わります。

地すべり前の4年間のうち3年
平均以上の降水量を記録し、
さらに、例年より暖かい冬
+3月の豪雪
+4月最後の週に夏のような天候を経ます。

山の内部がどんどんもろくなりますね・・・。

そしてこの大災害の引き金となったのが、
当日未明の突然の寒波!
(マイナス18℃まで下がったそうです)

この急激な気温の降下が、
前述にある山頂の亀裂の水が凍り亀裂を膨張させ、
約1億1000万トンもの石灰岩を崩落させました。

上記、フランク・スライドの原因は、
資料館でもらったパンフレットや
Wikipediaを参考にしました。

なんかすんごい詳細になった。
すんごい疲れた・・・。

その後この被災したエリアは、
観光地になりました。
(急に説明はしょる)

現在は、岩間を歩いて行けるようルートが作られ、
そばに資料館 (Frank Slide Interpretive Centre) があり、
お土産物屋さんも併設されていたりと、
本当に立派な観光地となっています。

実はここに来る前は、
12年カナダに住んでいて
一度も聞いたこともなかったところなので、
どのようなところなのか
ある程度下調べはして行ったのですが、
あまり観光地としての期待はしていませんでした。

なのですがね・・・。

車で進んでいくとどーーーんと現れる、
えぐられた山と
ごろごろと辺り一面に広がる
巨岩たちを目の当たりにし、
そのあまりの規模の大きさと
自然の驚異に対する驚きと恐怖、
そして、ここは観光地である前に”被災地”なんだ
という事実を、まざまざと見せつけられた感じで、
ショックを受けましたねー。

Frank Slide

Frank Slide

資料館周辺にある、
ちょっとした展望デッキのようなところから
一望することができます。

Frank Slide 2

Frank Slide 3

亡くなった人たちのほとんどは
まだ埋もれたままなんやなぁー。

岩石や土砂がまるで津波のように、
約3平方キロメートルの範囲を
たったの90秒で、埋め尽くしたそうですよ。。。

タートル山は今でも
現在進行形で崩れ、
もろくなっていってるそうです。

また大規模な地すべりは起こると
推定されていますが、
80以上の箇所にモニターが設置されており、
充分事前に察知することで
警報が発令できるシステムになっているそうです。
充分ってどれくらい前になんかな。。。

ところで、資料館でこんな地図をもらってきたんですよ。

Crowsnest Pass Map

このフランクの町は、
クロウズネスト・パス (Crowsnest Pass) という
地方自治体に属してるんですね。
ちなみにパス (pass) は、”峠”という意味です。

これは、クロウズネストの遺産を巡ろう!
という地図です。

フランクの町以外にも、
Bellevue、Hillcrest、Blairmore、Coleman
といった町があり、いずれも炭鉱で栄えた町で、
そのまま遺産となって残されている建物などを
車で巡れるルートが書かれています。

見にくいけど、地図上の青色点線のルートですね。

私は全ての遺産は巡っていませんが、
Blairmore と Coleman という町の
古き良き西部開拓時代を思わせる建物たちが
とても印象に残っています。

フランク・スライドを見に行く際はぜひとも
資料館でこの地図をゲットして、
遺産巡りをしてみてくださいね。

年明け1月上旬に、再び行ってきました。
こちらは Blaimore という町の古い劇場です。
ユニバのニューヨーク・エリアにありそうな建物!
(ちょっと盛ったかな?笑)

Orpheum Theatre

【2021/1/17 追記】

ちなみに、資料館、資料館、と言っていますが、
私は資料館の展示物は見ていないのです。

見るには、大人1人15ドルかかります。。。
(またケチった)

パンフレットや地図たちは、
資料館の入口で、無料でもらえます。

さて、こんなに長くなるとは思っていませんでした。
最後まで読んでくれてる人どれくらい居るかな・・・。
本当にありがとうございます。

そして、次回のブログは、
フランク・スライドに行く際は
ぜひ寄って欲しいところ、
上で遺産巡りをすでに紹介してるけど、
もう一ヵ所、マストビジットな場所があるので
ご紹介しますね。

それでは次のブログへ続きます~。

次回 「ランドブレック滝 (Lundbreck Falls) 編」 ↓

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